Collections
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Alana Wilson
Alana Wilson(アラーナ・ウィルソン)は、1989年オーストラリア・キャンベラ生まれ。ニュージーランド国籍を持ち、シドニー National Art Schoolで陶芸を学び、陶器を主なメディアとして制作を行っています。海底遺跡から発掘された壺のような質感と色調の陶器は、繰り返される実験的な釉薬と焼成によるもの。古代の壺や器、考古学的なもの、海や水から強いインスピレーションを受け、実用を主題とせず廃墟を想わせる器の表現は、陶芸技術の長い歴史 − 古代の人々が生きた軌跡、それらが延々と続く今への時間の流れのメタファーであると同時に、自然と人間との関係性に問題を提起する作品です。これまでに、オーストラリアを中心に、アメリカ、ヨーロッパでも作品を発表。陶器による立体作品だけでなく、ドローイング、映像作品など、メディアに依らず一貫したテーマでの作品を発表しています。
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Kenichi Sasakawa
笹川 健一(ささかわ・けんいち)は1981年神奈川生まれ。多摩美術大学大学院美術研究科博士前期課程工芸専攻修了後、財団法人金沢卯辰山工芸工房研修生。2010年より2014年まで多摩美術大学工芸学科ガラスプログラムの助手を務め、現在京都府にて制作をおこなっています。笹川健一は、ライフワークとして長らく「うつわ」に向き合い、うつわを通して日本文化特有の美意識を表現してきました。目の前に現れる印象を手繰り寄せ、手を動かしながらピントを合わせていくという制作の中から生まれるフォルムから、アーティストの美に寄せる視点と、手跡に残る印象の気配を感じます。
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Shun Kumagai
熊谷 峻(くまがい・しゅん)は1983年 秋田県生まれ。2007年に秋田公立美術工芸短期大学工芸美術学科専攻科修了。秋田公立美術工芸短期大学の教務補助を務めた後、2012年より富山ガラス工房に所属。2017年に秋田へ戻り、現在まで制作を行っています。時・歴史・素材などの要素をリミックスし、制作される熊谷峻の作品は、蝋で作った形を石膏型に起こし、そこにガラスを溶かし入れるガラス鋳造の技法を発展させ制作されています。1000℃の窯の中で起こるガラスの対流や変化は陶芸における窯変のように、コントロールできない想定外の部分に依るものがあり、作品に「祈り」の要素を付与しています。厚く流し込まれたガラスは表面に焼き付けられた土や流し込まれた金属と重なりながら複雑な景色を作り出し、その姿は古代ガラスや廃墟を想わせます。
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Yoko Ichikawa
市川 陽子(いちかわ・ようこ)は1985年大阪生まれ、京都市立芸術大学工芸科漆工専攻修了。独立後は京都で制作活動を行い、現在は滋賀県高島市へとその拠点を移し制作を行っています。大学在学中より「漆皮(しっぴ)」という技法への興味を深め、研究と実験を積み重ねることで独自の表現へと昇華させてきました。市川の制作する漆皮箱は、正倉院宝物に残された8世紀(奈良時代)の『漆皮箱』に起点を持ちますが、その制作方法は元来の形式にとらわれない独自の手法です。動物の皮で器をつくり、漆を塗って硬化させる「漆皮」は、飛鳥時代からの歴史を持ちながらも一度は歴史の中で途絶えた工芸技法。市川は自ら紐解いた漆皮の持つ歴史を背景に、自らのものづくりのルーツである、縫い・繕うという行為と、彼女の持つ死生観を重ねて制作を行っています。かつて立体的な命を包んでいた皮膜を、再び縫い合わせ、漆という植物の樹液を染み込ませ、塗り重ね、硬化させることで、何かを内包する新たな存在として再構築することをコンセプトとし、漆という塗膜の向こうに透けて見える皮そのものの、トランスフォームの過程こそが彼女の作品の核です。
Shun Kymagai
Alana Wilson
Kenichi Sasakawa
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Oscillating landscape
通常価格 $620.00通常価格単価 / あたり